泌尿器科・皮膚科・内科・腎臓内科・性病科 島崎クリニック

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~慢性前立腺炎について~

 

 

こんにちは!高知市の島崎クリニックの院長島崎です。

「もしかして、自分は慢性前立腺炎かな?」と、この記事にたどり着いたかもしれません。下腹部の違和感や陰部の痛み、頻繁なトイレ、そして原因不明の不快感。これらの症状は、日々の生活を苦しいものにし、精神的なストレスも与えます。この記事では、そんな慢性前立腺炎について、高知県高知市の泌尿器科医である私が、症状や原因、診断方法から最新の治療法まで、分かりやすく解説していきます。この記事を最後まで読んでいただければ、慢性前立腺炎の全体像が分かり、これからどうすればよいか具体的な行動に移せるようになるでしょう。陰部不快感でお悩みのご家族はぜひ最後まで読んでみてください!


 

慢性前立腺炎とはどのような病気?

 

慢性前立腺炎は、男性の陰部や下腹部に慢性的な痛みや不快感を引き起こす病気です。前立腺は、膀胱の真下にある栗の実ほどの大きさの臓器で、精液の一部をつくる役割を担っています。この前立腺に炎症が起こることで、様々な症状が現れます。特に、慢性前立腺炎は、その原因が特定しにくく、症状も多岐にわたるため、診断や治療に時間を要することが少なくありません。

私が以前診察した患者様で、30代の男性の方がいらっしゃいました。この患者様は、デスクワーク中に下腹部が重だるく感じたり、座っていると陰部がジーンと痛むようになったと訴えられました。また、夜間頻尿で何度も目が覚めるため、睡眠不足に悩まされていました。病院をいくつか回ったそうですが、明確な原因が見つからず、途方に暮れていたとのことでした。当院で詳しく検査を行った結果、前立腺に軽度の炎症が確認され、慢性前立腺炎と診断しました。この患者様のように、長期間にわたる不快な症状に悩まされながらも、適切な診断に至らないケースは珍しくありません。

 

慢性前立腺炎の主な症状

 

慢性前立腺炎の症状は、多岐にわたります。主な症状は以下の4つのカテゴリーに分けられます。

  1. 痛みや不快感: 下腹部、陰嚢、会陰部(肛門と陰嚢の間)、尿道、腰などに慢性的な痛みや不快感を感じます。特に、座っている時に症状が悪化することが多いです。

  2. 排尿に関する症状: 頻尿(トイレに行く回数が増える)、排尿時の痛み、残尿感(排尿後も尿が残っている感じがする)、排尿困難(尿の出が悪い)などが現れます。

  3. 射精に関する症状: 射精時の痛みや違和感、射精後の不快感などが挙げられます。

  4. その他: 倦怠感や精神的なストレス、不安感など、全身の症状や精神的な不調を伴うこともあります。

これらの症状は、日によって強さが異なったり、突然現れたり消えたりすることがあります。


 

慢性前立腺炎の原因と分類

 

慢性前立腺炎の原因は、細菌感染によるものと、細菌が検出されないものに大別されます。

  1. 細菌性慢性前立腺炎: 大腸菌などの細菌が前立腺に感染し、炎症を引き起こすものです。通常、尿路感染症から移行することが多いとされています。

  2. 非細菌性慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群): 最も多いタイプで、細菌が検出されないにもかかわらず、慢性的な痛みや不快感が続く状態です。この病態は、骨盤底筋の過緊張、神経の過敏化、心理的ストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合って生じると考えられています。

非細菌性慢性前立腺炎は、明確な原因が特定しにくく、ストレスや生活習慣が大きく影響している場合があります。例えば、長時間のデスクワークや運転、過度な飲酒や喫煙、冷えなども症状を悪化させる要因となります。


 

慢性前立腺炎の診断方法と治療法

 

慢性前立腺炎の診断は、患者様の症状や既往歴を詳しくお聞きする問診から始まります。

 

診断方法

 

  • 問診: 症状の具体的な内容や、いつから症状が現れたかなどを詳しくお聞きします。

  • 尿検査: 尿中の白血球や細菌の有無を調べ、細菌感染の有無を確認します。

  • 前立腺マッサージ後尿検査: 前立腺をマッサージして採取した尿を検査し、前立腺液に含まれる白血球や細菌を調べます。これは、前立腺の内部の炎症や感染を評価するために非常に重要な検査です。

  • 超音波検査(エコー検査): 前立腺の大きさや形、炎症の有無を観察します。

  • 泌尿器科的検査: 膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺がんなど、他の病気が隠れていないか確認します。

これらの検査は、痛みや不快感が少ないものばかりですので、ご安心ください。

 

慢性前立腺炎の治療方法

 

慢性前立腺炎の治療は、その原因や症状に合わせて複数の方法を組み合わせるのが一般的です。

  1. 薬物療法

    • 抗生物質: 細菌性慢性前立腺炎の場合、細菌を死滅させるために抗生物質を長期間服用します。一般的に、効果が見られるまでに数週間から数ヶ月かかることがあります。

    • α1遮断薬: 排尿困難などの症状を和らげるために、前立腺や膀胱の筋肉を緩めるお薬を使用します。

    • 消炎鎮痛剤: 痛みや炎症を抑えるために使用します。

    • 漢方薬: 症状に合わせて、排尿困難や痛みを和らげる漢方薬が処方されることもあります。

  2. 生活習慣の改善

    • 体を温める: 特に下半身を冷やさないようにすることが重要です。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、厚手のズボンを履くなど、体を温める工夫をしましょう。

    • 飲酒・喫煙の制限: アルコールやタバコは、前立腺の炎症を悪化させる可能性があるため、できるだけ控えることが勧められます。

    • 食事の改善: 辛いものや刺激物は避けるようにしましょう。

  3. 物理療法・温熱療法

    • 骨盤底筋をリラックスさせるためのストレッチや、前立腺を温める温熱療法が有効な場合もあります。

  4. ストレスケア

    • ストレスは慢性前立腺炎の症状を悪化させることが知られています。適度な運動や趣味を見つけるなど、ストレスを溜めないようにすることが大切です。

慢性前立腺炎の治療は、長期にわたることが多く、患者様の精神的なサポートも非常に重要です。


 

まとめ

 

慢性前立腺炎は、男性のQOL(生活の質)を著しく低下させる可能性のある病気ですが、適切な診断と治療で症状は改善します。

重要なポイントをまとめます。

  • 慢性前立腺炎は、下腹部や陰部の慢性的な痛み、排尿症状、射精時の痛みなど、様々な症状を引き起こします。

  • 原因は、細菌性・非細菌性に分けられ、特に非細菌性慢性前立腺炎はストレスや生活習慣が大きく影響します。

  • 診断は、問診や尿検査、超音波検査などで総合的に行います。

  • 治療は、薬物療法を基本とし、生活習慣の改善やストレスケアも重要です。

もし、高知市で慢性的な陰部の不快感や排尿障害にお悩みでしたら、一人で悩まずにぜひ一度、当院にご相談ください。

本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、高知市の島崎クリニックにお気軽にご相談ください。