泌尿器科・皮膚科・内科・腎臓内科・性病科 島崎クリニック

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~精管結紮について~

こんにちは!高知市の島崎クリニックの院長島崎です。

「パートナーと話し合って、お互いに負担の少ない避妊方法を探している」という想いで、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。男性の永続的な避妊方法である精管結紮は、まだ日本ではあまり知られていません。手術への不安や、将来への影響を心配されるかもしれません。この記事では、精管結紮について、高知県高知市の泌尿器科医である私が、その仕組みや安全性、手術方法からメリット・デメリットまで、どこよりも分かりやすく解説していきます。この記事を最後まで読んでいただければ、精管結紮の全体像が分かり、パートナーと納得して選択できるようになるでしょう。避妊にお悩みのあるご家族はぜひ最後まで読んでみてください!


 

精管結紮とはどのような手術?

 

精管結紮は、男性が行う永続的な避妊手術の一つです。男性の体内で精子を運ぶ精管という細い管を途中で切断し、両端を結びます。これにより、精巣でつくられた精子が精液に混ざるのを防ぐため、妊娠を避けることができます。この手術は、パイプカットとも呼ばれ、非常に高い避妊効果があることが知られています。

当院に以前来院された患者様で、40代の男性の方がいらっしゃいました。この方は、すでに2人のお子様がいらっしゃり、「これ以上は望んでいないけれど、妻にばかり避妊の負担をかけているのが心苦しい」と話されていました。奥様とも話し合って、精管結紮という選択肢を知り、ご夫婦で相談に来られました。奥様からも「主人が手術を検討してくれて、とても嬉しい」というお言葉をいただきました。このように、精管結紮は、男性が主体的に避妊に参加できる方法として、パートナーとの関係をより良好にするきっかけにもなります。

 

精管結紮の仕組みと避妊効果

 

精管結紮は、精子の通り道を物理的に遮断することで避妊効果を発揮します。

  1. 精子の製造: 精子は、男性の精巣で毎日つくられます。

  2. 精子の輸送: 精巣でつくられた精子は、精管を通って、前立腺にある精嚢まで運ばれます。

  3. 射精: 性行為の際、精嚢に蓄えられた精子と、前立腺液などの液体が混ざって精液となり、体外に射精されます。

精管結紮手術では、この精管を途中で結び、精子が精液に混ざらないようにします。手術後も、精巣は引き続き精子をつくり続けますが、行き場を失った精子は体内に吸収されて消滅します。手術後も、射精される精液の量はほとんど変わらず、見た目や感触にも変化はありません。精管結紮の避妊効果は非常に高く、失敗率は0.15%未満と報告されています。


 

精管結紮手術のメリット・デメリットと注意点

 

精管結紮手術は、永続的な避妊方法として、他の避妊方法にはない多くのメリットと、いくつかのデメリットがあります。

 

メリット

 

  • 高い避妊効果: 精管結紮は、他の避妊方法と比較して、非常に高い避妊効果があります。手術後の避妊効果は99%以上とされています。

  • パートナーの負担軽減: 女性が行う避妊法(ピル、子宮内避妊具など)に比べ、女性側の身体的・精神的な負担をなくすことができます。

  • 性生活への影響が少ない: 術後の性欲や勃起能力、射精時の快感、精液の量などに変化はほとんどありません。

  • 経済的負担の軽減: 手術費用はかかりますが、長期的に見ればコンドームやピルを買い続けるよりも経済的な負担が少なくなります。

 

デメリット

 

  • 永続的な避妊: 精管結紮は、原則として不可逆的な手術です。再結合手術を行っても、妊娠できる確率は100%ではないため、将来子どもを望む可能性が少しでもある場合は、慎重な検討が必要です。

  • 手術後の痛み: 手術後、数日間は精巣や陰嚢に軽度の痛みや腫れ、内出血が見られることがあります。

  • 避妊効果の発現に時間がかかる: 手術後すぐに避妊効果が現れるわけではありません。精管に残っていた精子がすべて排出されるまで、通常は20回程度の射精が必要です。完全に避妊できるようになったかを確認するため、術後数ヶ月後に精液検査を行います。

  • 感染症の予防はできない: 精管結紮は性感染症を予防するものではありません。性感染症のリスクがある場合は、コンドームの使用が必要です。

高知市で精管結紮を検討されている方は、これらのメリット・デメリットを十分に理解し、後悔のない選択をしていただくことが大切です。


 

精管結紮手術の流れと術後の生活

 

精管結紮手術は、日帰りで行うことができ、体への負担が少ない手術です。

 

手術の流れ

 

  1. カウンセリングと診察: まず、医師とのカウンセリングで、手術への不安や疑問、将来の家族計画について詳しくお話しします。

  2. 局所麻酔: 手術は、陰嚢に局所麻酔をすることで行います。麻酔の注射時には、チクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔が効けば痛みはありません。

  3. 精管の露出: 陰嚢の皮膚を小さく切開し、精管を露出させます。

  4. 精管の切断・結紮: 露出させた精管を数cm切断し、両端を糸でしっかり結びます。

  5. 縫合: 切開した部分を数針縫合します。手術時間は通常15分から30分程度で終了します。

当院では、患者様のプライバシーに配慮し、予約制で手術を行っています。

 

術後の生活と注意点

 

  • 術後の安静: 手術当日は、激しい運動を避け、安静に過ごすことが推奨されます。

  • 性行為: 術後1週間程度は性行為を控え、傷口が完全に治癒するのを待ちます。

  • 避妊: 術後すぐに避妊効果が現れるわけではありません。精液検査で精子がいないことが確認されるまでは、これまで通りの避妊方法を続ける必要があります。

  • 精液検査: 術後、2ヶ月~3ヶ月後に精液検査を行い、精子がいないことを確認します。この検査で精子が確認されなければ、精管結紮が成功したと判断します。

この精液検査を忘れずに受けることが、精管結紮の成功を確認する上で非常に重要です。


 

まとめ

 

精管結紮は、男性が主体的に取り組める、永続的で効果の高い避妊方法です。

重要なポイントをまとめます。

  • 精管結紮は、精子の通り道である精管を切断・結紮することで避妊効果を得る手術です。

  • メリットは、高い避妊効果、パートナーの負担軽減、性生活への影響の少なさなどです。

  • デメリットは、永続的であること、術後の精液検査が必要なこと、性感染症の予防はできないことなどです。

  • 手術は日帰りで可能で、体への負担も少ないです。

精管結紮は、ご夫婦やパートナーとよく話し合い、お互いが納得した上で選択すべき手術です。「もしかして?」と感じたら、決して一人で悩まず、まずは高知市の泌尿器科クリニックにご相談ください。

本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、高知市の島崎クリニックにお気軽にご相談ください。