■~慢性腎臓病について~
こんにちは!高知市の島崎クリニックの院長島崎です。
健康診断で「腎機能の数値が少し悪い」と指摘されたり、ご家族の足のむくみが気になったりして、不安な気持ちでこのページに辿り着いたのではないでしょうか。慢性腎臓病は初期症状が乏しく、気づかないうちに進行してしまうケースが非常に多いため、その不安は決して大げさなものではありません。この記事では、慢性腎臓病の定義や原因、そして高知市の皆様に知っておいていただきたい予防や治療のポイントを詳しく解説します。この記事を読むことで、慢性腎臓病の正体と、腎機能を守るために今日からできる具体的な対策がわかります。慢性腎臓病に悩んでいる方のご家族はぜひ最後まで読んでみてください!
慢性腎臓病とはどのような病気か
慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働きが徐々に低下していく病気の総称を指します。腎臓は血液をろ過して尿を作り、体内の老廃物を排出する重要な役割を担っています。しかし、慢性腎臓病になると、腎臓のろ過機能が十分に果たせなくなり、体内に毒素が蓄積してしまいます。高知市でも、成人の約8人に1人が慢性腎臓病であると言われており、もはや国民病とも呼べるほど身近な疾患です。
慢性腎臓病の診断基準と主な症状
慢性腎臓病は、尿検査でタンパク尿などの異常がある場合や、腎臓の働きを示すeGFR(推算糸球体ろ過量)が$60\text{mL/min/1.73m}^2$未満の状態が3ヶ月以上続くことで診断されます。初期の段階では、慢性腎臓病に自覚症状がほとんど現れないため、検査値の異常を放置しないことが何より大切です。病気が進行すると、足や顔にむくみが出たり、夜間に何度もトイレに起きたりする夜間頻尿が見られるようになります。さらに悪化すると、倦怠感や貧血、息切れといった全身症状が現れ、最終的には人工透析や腎移植が必要になることもあります。
慢性腎臓病を引き起こす原因と日常生活の注意点
慢性腎臓病の主な原因は、生活習慣病である糖尿病や高血圧が深く関係しています。高血糖や高血圧の状態が長期間続くと、腎臓の中にある非常に細い血管がダメージを受け、フィルターとしての機能が損なわれてしまいます。また、慢性糸球体腎炎といった腎臓そのものの病気や、加齢による腎機能の低下も慢性腎臓病の要因となります。肥満や喫煙、過度な飲酒といった不摂生な生活習慣も、慢性腎臓病を悪化させるリスクを大幅に高めてしまいます。
慢性腎臓病を予防するための食事療法のメリット
慢性腎臓病の進行を抑えるために、適切な食事療法を実践することには大きなメリットがあります。第一に、塩分の摂取量を制限することで血圧が安定し、腎臓への負担を直接的に軽減できる点が挙げられます。第二に、タンパク質の摂取量を適切に管理することで、腎臓が老廃物を処理する際のエネルギー消費を抑えることが可能です。第三に、カリウムやリンの調整を行うことで、不整脈や骨の脆化といった合併症を防ぐ健康維持につながります。第四に、バランスの良い食事は肥満の解消に役立ち、慢性腎臓病の根本原因であるメタボリックシンドロームの改善に寄与します。
慢性腎臓病で食事制限を行うことのデメリット
一方で、慢性腎臓病の食事療法にはいくつかの注意点やデメリットも存在します。一つ目は、味付けが薄くなることや、食べられる食品が制限されることで、食事の楽しみが減少してしまうと感じる点です。二つ目は、エネルギー不足を補うために特殊な治療用食品を利用する場合、食費が通常よりも高くなる傾向がある点です。三つ目は、外食や旅行の際にメニュー選びが難しくなり、社会的な交流にストレスを感じてしまう可能性がある点です。四つ目は、自己判断で極端な制限を行うと、必要な栄養素が不足して体力や免疫力が低下してしまうリスクがある点です。
高知市での診療経験から見る慢性腎臓病の実体験
私が高知市で診療を行っている中で、特に印象に残っているエピソードがあります。ある時、皮膚のかゆみを訴えて来院された患者様がいらっしゃいましたが、詳しく検査をしたところ、重度の慢性腎臓病であることが判明しました。実は、腎機能が低下すると老廃物が皮膚に刺激を与え、強いかゆみを引き起こすことがあるのです。その患者様は「まさか皮膚の悩みが腎臓から来ているとは思わなかった」と驚かれていました。慢性腎臓病は、内科的な数値だけでなく、目に見える皮膚の異常や体調の変化としてサインを出すことがあるのだと再確認した事例でした。
まとめ
慢性腎臓病は、初期には自覚症状がほとんどなく、静かに進行する恐ろしい病気です。高知市にお住まいの皆様も、健康診断の結果をしっかりと確認し、タンパク尿やeGFRの数値に注意を払ってください。糖尿病や高血圧などの持病がある方は、主治医と相談しながら徹底した数値管理を行うことが、腎機能を守る唯一の方法です。食事療法や生活習慣の改善は大変なこともありますが、早期から対策を始めることで、将来的な人工透析のリスクを確実に下げることができます。
本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、高知市の島崎クリニックにお気軽にご相談ください。
